Image Downloaderで画像が1枚しかダウンロードできないエラーの対処法(Google Chrome拡張機能)

ルーチン業務の効率化を図っている最中のふもぱん先生(他称)です。

Image Downloader で画像が1枚しかダウンロードできない…

Webページ中の画像を一括ダウンロードできる Google Chrome の拡張機能「 Image Downloder 」を発見し、「(某仕事の効率化にかなり貢献する…!)」と心の中で狂喜乱舞しました。

が、実際に使ってみると、なんと1枚しか画像がダウンロードできないではありませんか。なんということでしょう…。ちなみにエラー音が連続して鳴り響きます。

エラーの原因は、Chromeのダウンロード設定

調べた結果、結論としては、Google Chrome で「ダウンロードファイルの保存場所を毎回確認する」という設定にしていたことがエラーの原因でした。

デフォルトでは、「ダウンロード」フォルダなど、既定のフォルダにすぐファイルがダウンロードされる設定(いちいち確認のダイアログが表示されない)になっているはずです。が、私は諸事情で毎回ダウンロード先を変更するように設定を変えていたため、Image Downloader がうまく動かない原因になってしまったようです。

この事象は少数派の人に該当するものと思いますが、Google で本件を検索しても、これは! という情報が出てこなかったため、ここに記録します。

解決方法

  1. 「Chrome」のメニューから「環境設定…」をクリック。
    Image-downloader-1

  2. 設定画面の一番下の方にある「詳細設定を表示…」をクリック。

Image-downloader-2

  1. 「ダウンロード」の項目にある「ダウンロード前に各ファイルの保存場所を確認する」のチェックを外すImage-downloader-3

以上で Image Downloader が複数の画像をダウンロードしてくれるようになるはずです。

いきなりエラーの解決法を主題としましたが、Image Downloader は画像サイズで絞り込みをしたり、リンクされている画像のみを絞り込んだりできるため、効率的です。Webページから画像を一括ダウンロードしたい、というニーズがある場合にはどうぞご参考に。

英語の義務教育に感謝

Image Downloader は外国の方が開発された拡張機能ですが、配布元のページで読んだ以下の文で解決にいたりました。

WARNING: If you haven’t set up a default download directory, you will have to manually choose the save location for each image, which might open a lot of popup windows. It is not recommended to attempt to download too many images at once without a default download directory.

日本語で解決方法を検索しても出てきませんでしたが、英語であっても、開発元の情報をちゃんと読めばよいのですね。これくらいの英文が一応読めるくらいになっている、そんな英語の義務教育に感謝する今日です。

英語学習は計画的に。

Image Downloader(Google Chrome拡張機能)

フリーランスWebディレクターによる「出張OJT業」

どちらかというと放置されて育った系のふもぱん先生(他称)です。(独学もある意味、セルフ放置)

「会社に相談できる先輩がいない」という話はときおり耳にしますが、今日は都内某所で OJT(On the Job Training)の出張版的な仕事をしてきました。主に HTML/CSS のコーディングレビューです。

デジハリ卒業生の方からいただいたリクエストですが、あまりないタイプの仕事で新鮮。オフィスの一角で自分の仕事はさせていただきつつ、適宜ご質問に回答する、というスタイルでした。

小さめの組織では、先輩社員によるフォローには限界があります。私が以前いた会社は、そこそこ人数はいましたが、空気的に聞けないとか、先輩が早々に卒業してしまったとか…聞くに聞けない環境には身に覚えがあります。

そこで必死になって成長する、というのもありますが、仕事である以上は納期があります。仕事が大きいほど、先の見えない不安と戦うのはつらいものです。

教えてもらうことができなくても、せめて一緒に考えてくれる仲間がいるのかどうか、も大きいはず。私もそういう意味で助けられたことは数知れず、です。

前職で一番つらいと思ったのは、連日休みがなく、相談も、話もできる人もおらず、日曜にフロアでポツンと一人深夜残業…月曜日を前にして光が見えない…といった状況でした。そして、銀座の街に繰り出しました(《一風堂》でラーメンを喰らう)。

Web制作系の会社は何かとハードになりがちですので、こういう形態の仕事もありなのかな、と感じつつ、今宵は《AFURI》でラーメンを食べて帰ったのでした。

いわば、職場の保健室的な何か。
いや、何か違うか。

自分がやった方が速い、という管理職失格系の反省は、今こそ果たすべきときなのかもしれません。今はどこにも所属してない私ですが。

深夜のラーメンは計画的に。

意外に簡単だった…タスクランナーGulpのインストール方法〜Mac編〜

概念を知って満足しちゃうのはやめようと思ったWebディレクターのふもぱん先生(他称)です。

昨年2015年12月26日(土)、CSS Nite「 Shift9:Webデザイン行く年来る年(CSS Nite LP43)」に参加してきました。「マークアップ」のセッション(「2015年のマークアップの話題を総まとめ」小山田晃浩さん / 益子貴寛さん / 久保知己さん)で取り上げられていたのがタスクランナーの「 Gulp 」。細かい定義はお調べいただくとして、要は「自動化ツール」のこと…というと乱暴でしょうか。

私もディレクターのはしくれですので、その存在やメリット、デメリットは概念的に知っていました。ただ、普段はディレクション中心のため、あまり切実に必要なものではありませんでした。「インストールなどの環境づくりが面倒」という風評もよく目にしていましたので、なかなか実践しようとは思わなかったのです。CSS Nite の懇親会でも、「同僚たちがなかなか導入しようとしない」という声が聞こえてきました。慣れた環境を変えるのは意外とパワーがいるのですよね

恐れるに足らなかった Gulp の環境づくり

今回、CSS Nite で Gulp のデモを拝見して、便利そうだな〜と改めて思い、お正月休みで時間があったため、環境づくりを実践。結果、そこまで大変なものでもないことがわかりました。

調べながらやれば難なくできましたが、私はデジハリで未経験の方にWeb制作系のレクチャーをする機会がある身分です。ここは説明が薄いとつまずいてしまうかも、と思うところが多少ありましたので、私が実際に行った手順をまとめます( Mac 編)。具体的には、「ターミナル」に慣れていないと「?」となってしまう可能性があるな、と思った点を少し細かく記載してあります。ターミナルの操作で立ち止まってしまった方の参考になれば幸いです。

Gulp があれば早く帰れる(比喩)

そもそも Gulp のメリットとは?

例えば、Web 制作において Sass( CSS の便利な書き方の一つ)を使って CSS を修正し、その表示をブラウザで確認する、というシーンがあるとします。この作業を分解すると、

  1. Sass のファイルを修正して保存する
  2. Sass のファイルを CSS にコンパイルする( .scss のファイルを .css に変換する)
  3. ブラウザを起動する
  4. ブラウザで HTML を再読み込みして表示を確認する

といった工程があります。ここでタスクランナー「 Gulp 」を使うと、「 1. Sass のファイルを修正して保存する」をしただけで、2. 〜 4. を自動でやってくれます。つまり Sass のファイルを保存すると、勝手にブラウザが立ち上がり、修正の反映が確認できるわけです。IT革命や…。

上記は地味な一例ですが、Web制作(特にコーディング/マークアップ)に携わる人なら何百回、何千回とやる作業ですので、ちりも積もれば山となるのです。自動化できる工程は、JavaScript ファイルの最適化や画像ファイルの圧縮、FTPへのアップなど、さまざまありますので、ご自身の作業工程でよくある内容を自動化すれば、きっと早く帰れるようになるでしょう(希望)。

では、先ほど例にあげた工程を例にとって、Gulp のインストールから実行までを体験してみましょう。ちなみに Gulp と類似のものに「 Grunt 」もありますが、こちらはしばらくメンテナンスがされていないようで、もはや Gulp が主流と考えてよい状況です。

目次

  1. Node.js のインストール
  2. npm の準備
  3. Gulp.js のインストール
  4. gulpfile.js の作成
  5. Sass を CSS に自動コンパイル
  6. ブラウザのリロードを自動化
  7. 終えるときは

1. Node.js のインストール

nodejs

まずは http://nodejs.org/ にアクセスし、Node.js をダウンロードします。2016/01/03 現在、「 v4.2.4 LTS 」と「 v5.3.0 Stable 」がありますが、「 v4.2.4 LTS 」の方を選択してください。

補足:CSS Nite でも解説されていましたが、v4系は2018年までアップデートが継続される予定ですが、v5系は2016年中に終了するとのことです。「 v4.2.4 LTS 」の「 LTS 」は、Long Term Support の略。

ダウンロードが完了したら、ファイルをダブルクリックしてインストールします( node-v4.2.4.pkg などのファイル名です)。

インストールが完了したら、「ターミナル」というアプリを起動します。Mac の場合、以下いずれかの方法で起動できます。

  • [control] キー + [space] キーの同時押しで「 Spotlight 検索」を立ち上げ、「ターミナル」と入力し、以下画像のものをクリック。
    terminal-app-spotlight
  • または、Finder で「アプリケーション」 → 「ユーティリティ」内にある「ターミナル.app」をダブルクリック。
    terminal-app-finder

以下のような画面が立ち上がります(見た目は環境によって違う場合があります)。

terminal-app

以下の文字列を半角英数字で入力し、[return/enter] キーを押します。

node -v

バージョン番号が表示されれば、Node.js のインストールは完了です。

2. npm の準備

「 npm(Node Packaged Modules)」という、Node.js のモジュール(パーツみたいなものでしょうか)を管理するツールを準備します。通常、Node.js をインストールすれば、一緒に入っていますので、ここで改めてインストールする必要はありません。

まずは今回の作業を行うディレクトリを好きなところに作成します。以下例では「書類」内に「gulptest」というディレクトリをつくりました(英数字のディレクトリ名にしましょう)。

folder-gulptest

ディレクトリを作成したら、「ターミナル」の画面に戻り、作成したディレクトリに移動します。以下の文字列を入力し、[return/enter] キーを押します。

cd /Users/fumopan/Documents/gulptest 

ターミナルに馴染みのない方は、この時点で「ん?」ということになるかもしれません。上記の「 cd 」は Change Directory の略で、ディレクトリーの移動を行うためのコマンドです。以降の「 /Users/fumopan/Documents/gulptest 」は移動先のパスを示していますが、これは私の場合の例ですので、みなさんの作業環境により変わります。ここがよくわからない…という場合は、以下の技で乗り切ってください。

terminal-cd

ターミナルで「 cd[半角スペース] 」と入力したら、Finder から作業用ディレクトリのアイコンをドラッグ&ドロップします。すると、パスが自動で入力されますので、その後、[return/enter] キーを押します。見た目があまり変化しませんが、これで作成したディレクトリに移動したことになります。

移動できたら、以下の文字列を入力し、[return/enter] キーを押します。

npm init

以下のような内容が表示されます。

$ npm init
This utility will walk you through creating a package.json file.
It only covers the most common items, and tries to guess sensible defaults.

See `npm help json` for definitive documentation on these fields
and exactly what they do.

Use `npm install <pkg> --save` afterwards to install a package and
save it as a dependency in the package.json file.

Press ^C at any time to quit.
name: (gulptest)

任意の内容を入力して、[return/enter] キーを押していきます。次々と入力をうながす行が表示されますが、今回はテストですので、特に何も入力せず、[return/enter] キーを連打していっても OK です。今回は以下のようにしました。

name: (gulptest) test
version: (1.0.0) 
description: Gulpテスト
entry point: (index.js) 
test command: 
git repository: 
keywords: 
author: 
license: (ISC) 
About to write to /Users/fumopan/Documents/gulptest/package.json:

{
  "name": "test",
  "version": "1.0.0",
  "description": "Gulpテスト",
  "main": "index.js",
  "scripts": {
    "test": "echo \"Error: no test specified\" && exit 1"
  },
  "author": "",
  "license": "ISC"
}

Is this ok? (yes) 

最後に「 Is this ok? (yes) 」などと表示されますが、ここでも [return/enter] キーを押します。すると、作業用ディレクトリの中に「 package.json 」というファイルが作成されます。

folder-gulptest-package-json

3. Gulp.js のインストール

さて、インストールの類はこれが最後。Gulp.js をインストールします。
ターミナルの画面を開き、以下の文字列を入力して [return/enter] キーを押します。

sudo npm install gulp -g

これでグローバルにインストールができました。次に、以下のコマンドでローカル(今回作業する場所)にインストールします。

npm install gulp --save-dev

ローカルにインストールするだけでも動くという話もありますが、ひとまずよくある手順ということでこのまま進みます。

4. gulpfile.js の作成

次は Gulp の設定です。

テキストエディター( Mac の標準なら「テキストエディット」で OK )を立ち上げ、以下の1行を入力します。

var gulp = require("gulp");

入力したら、「 gulpfile.js 」というファイル名で保存します。保存先は、package.json があるディレクトリです。

folder-gulptest-gulpfile-js

設定は以上で完了です。

5. Sass を CSS に自動コンパイル

ここからが自動化の設定です。Sass のファイルを CSS にコンパイルするためのプラグイン「 gulp-sass 」をインストールします。

ターミナルの画面で、以下の文字列を入力し、[return/enter] キーを押せばインストールできます。

npm install gulp-sass --save-dev

多少時間がかかることもありますが、しばし待ちましょう。

次に Sass のサンプルファイルを用意します。
作業用ディレクトリ内に「 sass 」というディレクトリを作成し、その中にテキストエディター等で「 style.scss 」というファイルを作成します。style.scss の中身は Sass なら何でも OK ですが、サンプルは以下です。

$width: 300px;
$color: red;
#maincontainer{
	width: $width;
	color: $color;
	background: #333;
}

CSS で変数が使えるのっていいですよね。

次に gulpfile.js に Sass を CSS にコンパイルするタスクを記述します。

var gulp = require("gulp");

var sass = require("gulp-sass");
 
gulp.task("sass", function () {
  gulp.src("./sass/**/*.scss") //入力元
    .pipe(sass().on("error", sass.logError))
    .pipe(gulp.dest("./css")); //出力先
});

1行目は既に書かれているはずですので、3〜9行目を追記します。追記後に保存したら、いよいよ Gulp を動かしてみましょう。ターミナルの画面を開き、以下の文字列を入力して [return/enter] キーを押します。

gulp sass

すると、なんということでしょう…作業用ディレクトリ内に、「 css 」というディレクトリと「 style.css 」というファイルがつくられています。

folder-gulptest-css

style.css の中身を見てみると、以下の通り Sass から CSS にコンパイルされています。

#maincontainer {
  width: 300px;
  color: red;
  background: #333; }

この例では Sass のコンパイルというプラグインを使いましたが、他のプラグインを活用すれば、他にもさまざまな作業を自動化できます。

6. ブラウザのリロードを自動化

さて、仕上げにブラウザ上での表示も自動化してみましょう。プラグイン「 browser-sync 」をインストールします。

ターミナルの画面で、以下の文字列を入力し、[return/enter] キーを押せばインストールできます。

npm install browser-sync --save-dev

次に HTML のサンプルファイルを用意します。
作業用ディレクトリ内に、テキストエディター等で「 index.html 」というファイルを作成します。

folder-gulptest-html

index.html の中身のサンプルは以下です。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title></title>
<link rel="stylesheet" href="css/style.css">
</head>
<body>
<div id="maincontainer">Gulpのテスト</div>
</body>
</html>

次に gulpfile.js を以下の通り変更します。

var gulp = require("gulp");

var sass = require("gulp-sass");
  
gulp.task("sass", function () {
  gulp.src("./sass/**/*.scss") //入力元
    .pipe(sass().on("error", sass.logError))
    .pipe(gulp.dest("./css")); //出力先
});

var browser = require("browser-sync");

gulp.task("server", function() {
  browser({
    server: {
      baseDir: "./"
    }
  });
});

gulp.task("sass", function () {
  gulp.src("./sass/**/*.scss")
    .pipe(sass().on("error", sass.logError))
    .pipe(gulp.dest("./css"))
    .pipe(browser.reload({stream:true}))
});

gulp.task("default",["server"], function() {
  gulp.watch("./sass/**/*.scss",["sass"]);
});

1〜9行目は既に書かれているはずですので、10行目以降を追加します。保存したらターミナルの画面を開き、以下の文字列を入力して [return/enter] キーを押します。

gulp

ブラウザが自動的に立ち上がり、HTML のページがブラウザに表示されたのではないでしょうか?

この状態で Sass のファイル( style.scss )に変更を加えて保存すると、ブラウザ上にも即座に反映されます。

7. 終えるときは

gulpfile.js 内の以下記述(最後の方に書かれているもの)により、ファイルの変更があると即座にタスクを実行する「監視」という状態になっています。

gulp.task("default",["server"], function() {
  gulp.watch("./sass/**/*.scss",["sass"]);
});

ターミナルも監視状態になっていますので、ターミナルを終了するときは、[control] + [c] で監視状態を解除してください。

まとめ

無事体験できましたでしょうか?
ターミナルの作業は馴染みがないとつまずくことがあるため、その点を少し細かく説明に入れてみました。

自動化のプラグインは無数に出ているようですので、「Gulp プラグイン XXX」などで検索して、必要なものを探してみましょう。以下のページにめぼしいものが一覧化されていましたので、ご参考に。

gulp.js その4 プラグイン一覧(Qiita)

その他、Gulp の導入については以下の記事がわかりやすく、参考になりました。

Gulp.js入門 – コーディングを10倍速くする環境を作る方法まとめ(LIG)
5分で導入! タスクランナーGulpでWeb制作を効率化しよう(ICS MEDIA)

後記

この記事をまとめるのに6時間くらいかかりました。嗚呼。

ブログを書くのって大変だなぁといつも思いますが、解説系の記事はキャプチャなども必要になってきて、さらに大変ですね。日頃から解説記事には大変助けられていますが、改めてそんな記事を提供してくれる神々に感謝の念を捧げたいと思う次第です。私も少なからず貢献できただろうか…。

学びの実践は計画的に。



プロセスの見える化と価値のプレゼンテーション(『Webデザイン行く年来る年』から)

世の中が休みっぽい雰囲気になると、自分も休んでいいよね…と思い、ようやくブログを書けるふもぱん先生(他称)です。

昨年2015年12月26日(土)、CSS Nite が主催する Web 系のイベント『Webデザイン行く年来る年』に参加してきました。13:30から20:00頃までの長丁場で、6つのセッション。これをひとつひとつまとめると、またブログに書かないまま終わってしまう…(間違いない)。

ので、もう1記事1テーマくらいに、断片的に書いていきます。

2015年総決算ゆえディレクター的にありがたいイベント

総評としては、「行ってよかった」でした。理由としては、講演内容のテーマが多彩だったことがあげられます。テーマは以下の6つがありました。

  1. 基調講演(「制作者はもっと盗むべき、たったひとつの理由」)
  2. マークアップ
  3. アクセシビリティ
  4. スマートデバイス
  5. ツール・フォント
  6. デザイントレンド

今年は Web 系のイベントにあまり参加していなかったこともあり、年末総決算的に幅広いテーマのお話を聴けたのはありがたかったです。普段はディレクションの仕事が中心のため、知識は幅広く知っておく必要があり、その意味でも◎でした。

今日は、中でも気になった内容をひとつ取り上げます。

デザインはブラックボックス

長谷川 恭久さん(基調講演)のお話に、「デザインはブラックボックスになっている」という一言がありました。五輪エンブレムでも選考プロセスが不透明である、という批判が一時期あったのを思い出します。

たしかに、普通の人にとってみれば、「デザイン(ビジュアルデザイン)」が生まれてくるプロセスは想像もつかない、というのが普通です。デザインをしたことがない人からすると、デザイナーの仕事は、「何か知らないけど、いい感じのデザインができてきた、すごい!」というイメージでしょう。

プロセスの見える化と価値のプレゼンテーション

ここで思ったのは、プロセスが見えないと、その価値が正しく評価されない、ということです。

私が以前勤めていたWeb制作会社では、制作単価を決めるために、クライアントに制作現場を見学してもらい、どんなプロセスを経て納品物をつくっているのか説明した、という話を聞いたことがあります(これは「価値のプレゼン」だな、と思いました)。

五輪エンブレムのデザインプロセスも、恐らく多くの人には想像できないものだったことでしょう。ゆえに、エンブレムの見た目の好き嫌いはさておき、そのデザインプロセスが正当に評価されたのか? デザインの背景にある考えが尊重されたのか? は疑問が残ります。ただ、広く一般の人には、そんなプロセスなどとうてい想像できないものだった、というのが現実でしょう。

私は Web 制作のディレクションが中心ですので、制作物というわかりやすいアウトプットがありません(自身の手でつくるというより、パートナーにつくっていただくことが多いため)。それだけに、ディレクターの価値って何なの? に対する、価値のプレゼンが今後必要だな…と考えさせられました(度々感じてはいますが)。

消費者視点と生産者視点

今回参加した「イベント」というものにも言えますが、イベントに参加するだけ(消費者視点)だと、イベントの大変さは見えてきません。イベントを主催する経験(生産者視点)があると、その大変さや苦労が見えてきます。

私は主催者側になることが定期的にありますが、参加するだけのときには見えていなかったことに多々気づくことがありました。例えば、純粋にイベントの場所をおさえるのって大変だなとか(収支や設備なども考慮しつつ)、ドタキャンにどう対応するかとか、精算はいつするのかとか、領収書は…とかとか。いくらでも出てきます。

サービスの価値を正しく評価するには、サービスを受け取る側(消費者)、提供する側(生産者)、二面からの理解が欠かせません。どちらも体験するのが一番早いですね。

パートナーになる/自分事化する

消費者が生産者について理解しているケースばかりではありません。Web 制作となると、クライアント(消費者)に制作経験がないことは多々あります。むしろ、自分ではできないから発注するのでしょう。ただ、そこで妥当な評価や価値を認めてもらうためには、やはり生産者からの「価値のプレゼン」が欠かせません。

逆に、生産者も、消費者のことを理解しなければなりませんね(二面からの理解)。双方から理解し合おうという関係づくりができれば、そこから生まれる成果物もよいものになっていきます。つまり「パートナーになる」ということです。この意識がないと、とりあえず言われたことをやればいい、という他人事の仕事になりがちです(自戒をこめて)。

自分は、クライアントのパートナーという関係で仕事ができているだろうか? その関係を築く努力ができているだろうか?

2016年、改めて意識したいポイントです。

消費と生産は計画的に。

「Shift9:Webデザイン行く年来る年(CSS Nite LP43)」(2015年12月26日開催)

コンペに落ちたけど、受注した話。

師走というこの魑魅魍魎の季節に、何ヶ月間も書いていない「ブログを書く」という選択をして、ちょっと後悔しているかもしれない私、ふもぱん先生(他称)です。

きっかけは、『Webディレクション Advent Calendar 2015』。最終日の25日目だけ、ぽっかりと穴が空いていたのです。

adventcalendar

これは…

ポチ。

ちょっと後悔しているかもしれません(2回目)。

無駄に長いWebとの付き合い

普段ろくにブログを書きませんが、Advent Calendar という形式上、普段接点のない方が読んでくださるかもしれません。ですので、簡単に私について書きます。

私は12歳のときに独学でWeb制作を始め、2005年に新卒で某Web制作会社に入社。そこで「Webディレクター」という肩書がはじめてつきました。その後、2012年まで7年弱勤め、数ヶ月の御ニート様生活を経て、現在はフリーランスのWebディレクターとして活動しています(もうすぐ丸3年目)。

今年最大の学び(直し)はコンセプトの重要性

私の2015年、「Webディレクション」という仕事にまつわることで パッ と思いつくこと。それは、「コンセプトが大事」ということです。

発端は、少しさかのぼって2014年の夏。複数社が参加するWebサイトリニューアルのコンペ案件でした。1週間ほどでデザインを含むリニューアルの提案をする、という内容です。

結果は、落選でした。

さて、時はすぎて翌年2015年の春。コンペのこともだいぶ忘れかけていたころ、突然、コンペのクライアントからご連絡をいただいたのです。

「リニューアルについて相談できませんか。」と。

提案から9ヶ月は経過していましたので、なぜ今?と、内心驚きました。理由は、前年のコンペで発注先として決まった会社とうまくいかない、とのこと(要約)。後日お話をうかがうと、私が提案書の中に入れていた「コンセプト」が印象的だった、とのこと。

連絡をくださった方はコンペの決裁権はお持ちではありませんでしたが、私の提案を評価してくださっていたようです。提案書をずっと保存し、事あるごとに参照してくださっていたとのことでした(なんとありがたい…)。そこでリニューアルが頓挫しそうになっていたこともあり、ご担当者の方が社内的にかけあって、私にご連絡をくださったのでした。

失注したと思っていた案件が、まさか9ヶ月もたってから仕事につながるとは…予想外でした。

意外と明確になっていないことが多いコンセプト

コンセプトづくりにあたっては、時間が限られていたこともあり、パンフレットとWebからできるだけ情報を集め、整理して組み立てました。あくまでも自分が考えるならこうだ、という仮案です。それでも今回のような結果が得られたあたりに、「コンセプト」の重要さを改めて実感した次第です。

クライアントによりますが、そもそもクライアント自身のコンセプトが明確になっていないことはよくあります。自分が自分のことを意外とわかっていないのと同様ですね。第三者視点でコンセプトを考え、捉えなおそうとすることは、それだけでも価値になります。

ディレクションはコンセプトありき

私がサイトのことを考えるとき、いつも頭の中にあるのが「3C」です。それっぽくしていますが、元ネタは “The Elements of User Experience” という資料にある図です。

3c

Creative(ビジュアルデザイン等)を考えるにも、Contents を考えるにも、その根底にある Concept が何なのか? が必要である、という考えです。当たり前と言えば当たり前ですが、ディレクションをするなら判断基準となる「軸(≒コンセプト)」が欠かせません。

コンセプトのコンセプトは「世界をよくする」こと

ただ、「コンセプト」という言葉の意味は、私自身、長年よく理解できていませんでした。

Nintendo の「Wii」をつくった玉樹真一郎さんの『コンセプトのつくりかた』(ダイヤモンド社)によれば、コンセプトとは、すなわち「世界をよくする」こと。言い換えれば、どんな課題に対して、どんな解決をもたらすのか? 自分たちの存在理由を表すもの、と言えましょうか。

ちなみに Wii のコンセプトは「お母さんが嫌いにならないゲーム」です。同書によれば、コンセプトは20文字以内である必要がある、とされていますが、抽象度を高く、かつ簡潔にまとめるのはなかなか困難です。それほど背景知識のないクライアントについて考えるならなおさらでしょう。

それでも、「こういうことか?」「こうなんじゃないか?」と多角的に考え、提案することには意味があります。提案した結果、なんか違うんだよね〜という評価を受けることも多いですが、そこには少なくともクライアントと同じ目線で考える態度が現れます。よく、クライアントから下請け扱いされてつらい、といった声も聞きますが、まずは自分からパートナーたるべき行動を示すことが先決です。

軽くドヤ感を漂わせる内容が含まれ恐縮ですが、今年、私にとってうまくいったことの代表例、ということでご容赦ください。少しでも今後のディレクション仕事のお役に立てれば幸いです。

人生またはWebディレクターとしてのコンセプトは?

ちなみに先ほどの「Wii」をつくった玉樹真一郎さんは、製品のコンセプトメイキングを突き詰めていく中で、「自分の人生のコンセプトとは何か?」という問いにいたり、結果 Nintendo を去られました。

さて、あなたの人生のコンセプトは何でしょうか?
または、Webディレクターとしてのコンセプトは?

この年末年始、改めて考えます。

人生プロジェクトのマネジメントは計画的に。

健康管理に気をつけよう
健康管理に気をつけよう
web-director-handsign
これを覚えておけば大丈夫です(棒)

ご参考)
[PDF] The Elements of User Experience
Webディレクション Advent Calendar 2015

NHKの名作『映像の世紀』で「歴史は繰り返す」を学ぶ夏

歴史は縄文時代からではなく、近代からさかのぼって教えるべきと思っているふもぱん先生(他称)です。

先日、終戦の日をむかえ、お盆も終わりました。季節的に過去の戦争の歴史を顧みるムードが漂い、そしていつしか薄れ、消えていきます。

戦争を疑似体験するための『映像の世紀』

歴史は勉強した方がいいと思うけど、何から入ったらいいのかわからない、という人も多いでしょうか。私もそのくちだったのですが、最近、中学生のころに観て、15年以上たった今も記憶にあるNHKスペシャル『映像の世紀』全11集をすべて見直しました。

もし観たことがない方がいらっしゃれば、おすすめしたい作品です。主に近代ですが、第一次大戦から第二次大戦が終わるころまでのアウトラインを貴重な映像とともにつかめます

私の祖父、曽祖父は共に戦争に行き、フィリピンやサイパンの沖で戦死していきましたが、戦後70年ともなると、実体験として戦争を語れる人は相当少なくなっています。この記事を読んでくださっている方も、きっと自身の体験として語れるという人はそういらっしゃらないでしょう。『映像の世紀』はむごい映像も入っていますが、戦争の悲惨さを知るうえでは欠かせない要素です。

戦争を自分事化する

本作品を見直していてまずハッとしたのは、

第一次世界大戦は、戦争を体験していない世代が楽観的に始め、結果4年間の泥沼にはまった。

という話でした。

「歴史は繰り返す」と言いますが、最近の安保法案の閣議決定のことも考えると、自分ごととして考えねば、と改めて思います。

映像には1923年の関東大震災についてふれるところもありますが、被災した人たちは犯罪に走ることもなく、配給の列をつくり、淡々と片づけをしていた…という外国人の回想が入ります。2011年の東日本大震災でも海外から同様の声があがっていましたが、国民性というのも大きくは変わらないのでしょうね。

「歴史を知る」以上の価値がある歴史の勉強

根深い民族対立や宗教戦争、各国の成り立ちなど、書き始めればきりがないくらい、さまざまな学びがあります。内容としては本当にアウトラインという感じですが、興味を持てる事柄が見つかれば、そこから掘り下げてより歴史を学んでいくきっかけにもなります

とはいえ全11集、計16時間くらいはあります。DVDも買うと7万円というなかなかのお値段。レンタル店やNHKオンデマンドなどでちょくちょく観るのがおすすめです。ちなみにヒストリーチャンネルでは9月12日(土)の夜からぶっ通しで再放送があるようです。

歴史(の一端)の全体像を知ることのみならず、読書や映画、美術展の鑑賞などにも役立ってきます。本の著者やアーティストの生きた時代はどんな時代だったのか? 国はどんな立場に置かれていたのか? などを少し知っているだけでも、インプットの質が上がります。

私はまだまだ勉強不足ですが、『映像の世紀』を見直してから、目に見えない部分の想像力が上がってきました。それがまた、歴史を知りたい、という気持ちの循環にもなるのが発見でした。最近は年代ものの映画を観たり、高校生の教科書的な歴史を学び直してみたりしています。

歴史の勉強はどこから入ったらいいかわからない、という方は『映像の世紀』をおためしあれ。歴史を学ぶうえでおすすめの映像や映画、本などありましたらぜひ教えてくださいっ。⇒ @fumopan

学び直しは計画的に。

以下は蛇足です。

今通っている「編集スパルタ塾」で「絶対観るべし」と言われた映画が『意志の勝利』。ナチス・ドイツのプロパガンダ映画ですが、恐ろしくクオリティが高く、その後の映画に大きな影響を与えたそうです。『映像の世紀』でも、やはりナチス・ドイツの内容は悲惨です。当時の人がどんな映像に影響を受けていたのか、俄然興味がわきます。

ナチスと言うと、以下の本も名著ですね。…と、どんどん広がってしまう。

メモ:大学の先輩から教えていただいたおすすめ本↓

学芸大学《マッターホーン》のモカソフトを食べなさい

生きる幸せは食べることにある、と考えるふもぱん先生(他称)です。このどうしようもない飽食に時代に生きられることをご先祖さまに感謝します。

私は感情表現が苦手なタイプですが、そんな私が「なんておいしいんだ」と切に思う代物に出会いましたので、謹んでここに報告いたします。

タイトルの通り、東急東横線 学芸大学駅より徒歩数分のところにある《MATTERHORN(マッターホーン)》の「モカソフト」がそれでございます。アイスとコーヒーがお好きでしたら、お早めにお召し上がりください。夏季限定ですので(630円)。

上品でほどよい風味のコーヒーアイス、モダンアートのごとく突き刺さったコーン、溶けたアイスがからみつくダメ押しのコーヒーゼリー…。複数のレイヤーで食感が楽しめるのも◎。

至福です。

おいしいものは、得てしてたらふく食べたい衝動に駆られますが、そこは創業60年以上をほこる洋菓子店。多すぎず、少なすぎず、何かを知り尽くしたかのような、大人のボリューム感です。あ、もうちょっと…食べたい…かも…そんないじらしい量です(当社比)。

《マッターホーン》は、バームクーヘンも有名で、一店舗主義のためか予約がいつも満杯のようです。店舗に行くと、カットしたものが買えますので、貪欲な方はこちらも連れて帰るといいかもしれません。

「モカアイス」は、今年(2015年)は8月1日から始まりましたが、何日まで提供されるのかは明示されていません。気になる方はぜひお早めに。提供時間は11:00〜18:00で、数に限りがございますよ。

食い倒れは計画的に。

MATTERHORN マッターホーン
〒152-0004 東京都目黒区鷹番3-5-1
火曜日(祝日の場合は営業)
http://matterhorn-tokyo.com/

ご参考:マッターホーンでアップされているInstagramの写真たち

その他にもアイスの食べ過ぎでお腹をこわしたい方は、以下の雑誌が参考になります。

今、財布にあるレシートでAmazonギフト券をもらう方法

フリーランスになってから自炊する習慣がついてきたふもぱん先生(他称)です。

日々の食材の買い出しには、DeNAさんがつくっているスマホアプリ「チラシル」がマストアプリになっています。新聞をとっていなくても近所の特売情報を入手できるので、地味に重宝しています。主夫ですね。

この「チラシル」には、最近「おこづかい」機能なるものが実装されました。スーパーやコンビニのレシートを写真に撮って送るだけで、50〜100円のAmazonギフト券がもらえるのです。

なるほど、レシートに載っているいろいろな情報を取得して悪いことをする気だな! その魂胆はわかっているぞ! などと思いつつ、まんまと乗っかる主夫なのです。

Amazonギフト券は先着順のため早い者勝ちですが、まだあまり認知されていないのか、私はすでに2案件(200円)頂戴しました。対象商品を含んでいれば、レシートはどこのお店で買ったものでもOKです。

Amazonギフト券の入手方法

1. アプリ「チラシル」をダウンロード。
iPhone版はこちら / Android版はこちら

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2. アプリ起動後、右下にある「おこづかい」アイコンをクリック。

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3. 対象の商品の中で、最近買った商品をタップ。

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4. 画面に従ってレシートの写真を撮影&送信。

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レシート上の記載で商品名がわかりにくい場合は、買った現物も写真の中に含めるのがよいようです。

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5. 審査に通ると、「獲得商品」の画面にギフト券コードが表示されます。

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6.「ギフト券番号をコピーする」をタップし、「Amazonギフト券を登録する」をタップ。

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7. Amazonのページに飛びますので、ログイン後、入力欄をタップして「貼り付け」し、「アカウントに登録する」をタップ。

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8. Amazonギフト券のアカウントへの登録が完了すると、次回Amazonでの買い物時、自動的にギフト券の割引が適用されます(反映までに若干時間がかかる場合があります)。

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スーパーやコンビニのポイントなどと併用すれば、少し節約につながりますね。財布の中にあるレシートを見てみて、対象商品があればトライしてみるのもありです。

家計管理と倹約は計画的に。

InstagramからWebサイトへの誘導TIPS〈北欧、暮らしの道具店〉の事例

仕事で管理しているソーシャルメディアアカウントが何個もあるふもぱん先生(他称)です。

Instagram は、投稿文やコメント文内のリンク(URL)が機能しません。ただの文字列として表示されるだけで、リンクがつかないのです。個人的に利用されている方でも、一部には不便だな〜と思われている方がいらっしゃるかもしれません。

Instagram でリンクがまともに機能するのは、アカウントのプロフィールページだけです。そこでなるほど〜と思ったのが、〈北欧、暮らしの道具店〉さんの工夫でした。

冒頭の画像で既におわかりいただけるかもしれませんが、位置情報などを記録する部分に「商品はプロフィールをクリック!」という文字列を入れ、プロフィールページに誘導しています。待ち受けるプロフィールページには、「▼instagramに登場したアイテムはコチラ」の文字に続いて専用ページへのリンクがあり、その飛び先にはしっかり商品をまとめたページが存在します。

この手の工夫は最近はじめて見かけて、なるほど〜と思いましたので備忘録まで。

位置情報を記入できる部分は、「俺の家」、「心の中」、「おやすみなさい」など、位置情報に限らない情報を入れて遊んでいる人はよく見かけます。そこに目をつけたのですね。入力欄を真面目にとらえず、ちょっと遊びで違う情報を入れてみるという考え方は持っておくとよいですね。

私はメディアサイトのソーシャルメディアアカウントに複数関わっていますが、ビジネス上はサイトへの誘導をどうしても視野に入れなければなりません。Instagram はサイトへの誘導が非常に難儀だったのですが、今回の〈北欧、暮らしの道具店〉さんのような工夫は参考になりました。

気づきの記録は計画的に。

参考)北欧、暮らしの道具店 @hokuoh_kurashi
参考)北欧、暮らしの道具店 instagram紹介商品のページ

『東大家庭教師が教える頭が良くなる思考法』まとめ

既に持っている本の存在を忘れていて、危うく2冊目を買おうとしていたふもぱん先生(他称)です。

その本というのが、『東大家庭教師が教える頭が良くなる思考法』(吉永賢一/中経出版)。最初何で買ったのか忘れてしまいましたが、以前「山本一郎が語る、投資すべきかどうかを自己判断するたった2つのこと」という記事で、「万人におすすめ」と紹介されていた本です。

人の思考回路はなかなか見えないものなので、東大医学部に受かってしまうような人の頭の動き方ってどんなものなのだろう? というミーハー魂から、本棚を掘り起こして読みました。私の脳内にある別知識や解釈という“ふもぱん添加物”とともにまとめてみます。無添加の内容は書籍をご覧ください。

思考の3ステップ

表紙にもある通り、結論は以下の3ステップを実行すべし、です。

  1. 見抜く(取り組むべき重要な問題を見極める)
  2. 決める(取り組み方を決める)
  3. やる(実際に取り組んでみる)

各ステップについて、要点をまとめます。

ステップ1「見抜く(取り組むべき問題を見極める)

発散させる

まずは以下の2点を、思いつくまま紙に書き出します。

  • 手に入れたいもの/やりたいこと
  • 消したい悩み/やりたくないこと

この「紙に書く」というのは、個人的な経験からも効果を感じます。考えごとを紙に書くという経験があまりない方は、ここだけでも実際にやってみるのはおすすめです。ポイントは「思いつくまま」に書くこと。裏紙など、いつ捨ててもいいくらいの紙を使うと、書くハードルが下がります。著者の方は「暗算よりも筆算の方が早く答えを出せる」と表現されていました。頭のなかであれこれ考えるより、書いて考えよ、と。まずは頭の中身を外に出してみることが肝心です。

別の本ですが、神田昌典さんの『非常識な成功法則』では、「やりたくないこと」をまず書きなさいとされています。「やりたくないこと」の裏返しが「やりたいこと」であることが多いことや、やりたいと思っていることは単なる思い込みであることも多いから、と。現に今いやだな思っていることを取り除く方が、モチベーションとしてわきやすいというのもありそうですね。

収束する

次に書き出した内容から、特に重要なものを探します。

「上司が嫌だ」「給料を上げたい」という“枝葉の問題”よりは、「仕事で圧倒的な結果を出したい」という“幹の問題”を見出します。仕事で圧倒的な結果を出せれば、自然と上司からの評価が変わり、給料も改善されるはず、ということですね。この問題を解決できれば、その他の問題も必然的に解決される、という問題を見極めます。ここでハシゴをかけちがえると違う目的地に向かってしまうため、重要な一歩です。

ポイントは、

  • 「消したい悩み」から考える(「手に入れたいもの」の裏返しであることが多い)
  • 「手に入れたいもの」は超具体的にする(「家がほしい」より、「間取りは4LDKで駅から徒歩10分、予算は3,000万円…」くらい具体的に)
  • 手段と目的を混同しない(お金は得てして手段に過ぎない、お金を使って得たいものを考える)

2番目の「手に入れたいもの」を超具体的にする件は、「SMART」の考え方が参考になります。

  • Specific 具体的である
  • Measurable  数字で測れる
  • Agreed 確かに必要と自分で同意している
  • Realistic 現実的(無理がない)
  • Timely 期日がある

「家がほしい」を当てはめるなら、

  • Specific 間取りは4LDK、駅から徒歩10分、東京23区内…
  • Measurable  予算は3,000万円あれば可能
  • Agreed 2人目の子どももできるため、たしかに必要
  • Realistic 候補の物件が存在する、頭金となる貯蓄やローンの返済も無理がない
  • Timely 子どもが生まれる翌年の3月までに

といった感じでしょうか。

ステップ2「決める(取り組み方を決める)」

ステップ1で見抜いた「取り組むべき重要な問題」を解決する方法を決めます。

発散させる

ここでも第一歩は「書き出す」ことです。頭の中であれこれ考えるよりも、ひとまず思いつくままに書きましょう。全然思い浮かばない場合は、調べてみたり、人にアイデアをもらったりするのもよいですね。

「4つの視点」でチェックする

出したアイデアは、以下「4つの視点」でチェックすることが提案されています。

  1. コントロール内のことを行う
  2. 達成までの期限が長いものは、それを分割する
  3. ハイリスクなものには手を出さない
  4. 長期的に利益が確保できるものを行う

行動する前にこんなにチェックするのか…と思ってしまったのが本音ですが、堅実に行動する方はこういうことをしているのでしょうね。特に「1. コントロール内のことを行う」は、自分ではどうにもならないことはやらない、ということで、思考においては重要な前提です。あの人が○○してくれるようにする、といった考えはコントロール外のことなので、自分ではどうすることもできないことが多いのです。

「4つのデータ」でチェックする

取り組み方へのチェックの視点がさらに登場します(慎重ですね)。それが「4つのデータ」です。

  1. 知識(プロの人や本、ネットなどから得た情報)
  2. 経験(自分自身や人の経験)
  3. 理性(自分で立てた仮説や予測)
  4. 直感(思いつき)

著者の方は、あらゆる情報はこの4つに分類できる、といいます。

中でも「1.知識」「2.経験」は比較的信頼に足るものですが、「再現性」のチェックが必要になります。「再現性」とは、「○○すれば□□になる」という法則のようなもので、その確実度が高いほど再現性が高いと言えます。再現性が高そうであればOK、低そうであればNGです。

一方、「3.理性」「4.直感」は信用ならぬものとされています。「4.直感」については、私は結構正しいことが多いと感じることが多いのですが、著者の方いわく「成功や失敗の体験を多々積んでいて、なおかつ成功している人」のみ有効とのこと。この点はあまり自覚していませんでしたが、直感は自分の経験量に照らして判断するのがよさそうですね。

シミュレーションする

上記「4つの視点」を「4つのデータ」でチェックしたら、残すはシュミレーションです。ここでは「本当にできるか?」を考え、実際に自分が行動している様子をイメージできるかたしかめます。例えば、

  • 貯金0円から3,000万円貯金する

という行動はジャンプし過ぎで、何をしたらいいかわかりません。

  • 毎日買っているコーヒーを週1にして毎月5,000円出費を減らす
  • 月3万円ずつ天引き貯金して、ボーナス月には10万円貯金する

など、すぐに取り組めそうな行動までブレイクダウンしていきます。

ステップ3「やる(実際に取り組んでみる)」

小さく始める

いきなり盛大に行動を始めるのではなく、小規模に始めて、感触を確かめます。例えば、著者の方はブログを書く時、いろいろなテーマで少しずつ書いてみて、反応の多かった記事を掘り下げて書く、というスタイルをとっているそうです。どれだけ調べて再現性の高そうな手法を知っても、実際にやってみないとわからないものです。

最初の一歩を踏み出すことが肝心ですので、ブログを書くこと自体が重い場合は、もっと負担の軽い作業に分解するのも◎です。何の記事を書くかメモする、タイトルだけ考えてみる、Facebook投稿から始めてみる、などでしょうか。

検証する

実際にやってみてどうだったか? を判断する「期限」と、達成基準となる「レベル」を設定します。先ほどのブログの例で言えば、

  • 1ヶ月間毎日書いてみて、月間の閲覧数が3,000を超えるかどうか?
  • 1記事あたりの閲覧数が100を超えるものがあれば、そのテーマを掘り下げる

などが考えられるでしょうか。ポイントは主観を入れず、数字で判断することです。人は自己肯定を得意とする生き物ですので、主観では正しい判断ができません。

習慣化する

検証の結果、効果があると実感できたものは、いざ本格始動です。習慣化、システム化することを目指し、自動的にその行動を実行できるようにしていきます。習慣化のコツは、手順や時間、場所を固定するのがよしとされています。ちなみに、特定の喫茶店を考え事をするためだけに使い、人と会ったり、読書したりする場所としては使わない、と場所の固定化を徹底されている人もいらっしゃいます。

個人的には既に習慣となっていること(入浴や歯磨きなど)の前後にくっつけると続きやすい、という実感があります。あとは人と一緒にやることですね(人の目という外圧を使う)。私は友人と「余白部(旧 精神と時の部屋部)」なる部活を定期的に催し、仕事以外の時間を強制的に捻出しています。

やる気を生み出す

いざやることが決まっても、なかなか行動できないことも多々あります。そういう時は、その行動をした結果、どんないい状態になれるか? という感情に訴えかけるのが有効とされていました(逆にマイナス感情は一時的な効果はあるものの長続きしない)。

また、人間は損得で動くため、メリットとデメリットを整理するのも有効です。何のためにやるのか? という目的は常に重要ですね。

まとめ

あらためて、『東大家庭教師が教える頭が良くなる思考法』の大まかな流れは以下の3ステップです。

  1. 見抜く(取り組むべき重要な問題を見極める)
  2. 決める(取り組み方を決める)
  3. やる(実際に取り組んでみる)

本書は簡潔かつ具体的に流れが書いてありますので、ワークブックとして使うのがよいと思いました。紙の書籍は長らく販売されておらず、古本は定価以上の値段がついているようですが、電子書籍の方がむしろ読みながらワークがしやすいかもしれません(Kindleなどは普通に買えます)。

考えごとは計画的に。

Photos : Startup Stock Photos