歴史は縄文時代からではなく、近代からさかのぼって教えるべきと思っているふもぱん先生(他称)です。
先日、終戦の日をむかえ、お盆も終わりました。季節的に過去の戦争の歴史を顧みるムードが漂い、そしていつしか薄れ、消えていきます。
戦争を疑似体験するための『映像の世紀』
歴史は勉強した方がいいと思うけど、何から入ったらいいのかわからない、という人も多いでしょうか。私もそのくちだったのですが、最近、中学生のころに観て、15年以上たった今も記憶にあるNHKスペシャル『映像の世紀』全11集をすべて見直しました。
もし観たことがない方がいらっしゃれば、おすすめしたい作品です。主に近代ですが、第一次大戦から第二次大戦が終わるころまでのアウトラインを貴重な映像とともにつかめます。
私の祖父、曽祖父は共に戦争に行き、フィリピンやサイパンの沖で戦死していきましたが、戦後70年ともなると、実体験として戦争を語れる人は相当少なくなっています。この記事を読んでくださっている方も、きっと自身の体験として語れるという人はそういらっしゃらないでしょう。『映像の世紀』はむごい映像も入っていますが、戦争の悲惨さを知るうえでは欠かせない要素です。
戦争を自分事化する
本作品を見直していてまずハッとしたのは、
第一次世界大戦は、戦争を体験していない世代が楽観的に始め、結果4年間の泥沼にはまった。
という話でした。
「歴史は繰り返す」と言いますが、最近の安保法案の閣議決定のことも考えると、自分ごととして考えねば、と改めて思います。
映像には1923年の関東大震災についてふれるところもありますが、被災した人たちは犯罪に走ることもなく、配給の列をつくり、淡々と片づけをしていた…という外国人の回想が入ります。2011年の東日本大震災でも海外から同様の声があがっていましたが、国民性というのも大きくは変わらないのでしょうね。
「歴史を知る」以上の価値がある歴史の勉強
根深い民族対立や宗教戦争、各国の成り立ちなど、書き始めればきりがないくらい、さまざまな学びがあります。内容としては本当にアウトラインという感じですが、興味を持てる事柄が見つかれば、そこから掘り下げてより歴史を学んでいくきっかけにもなります。
とはいえ全11集、計16時間くらいはあります。DVDも買うと7万円というなかなかのお値段。レンタル店やNHKオンデマンドなどでちょくちょく観るのがおすすめです。ちなみにヒストリーチャンネルでは9月12日(土)の夜からぶっ通しで再放送があるようです。
歴史(の一端)の全体像を知ることのみならず、読書や映画、美術展の鑑賞などにも役立ってきます。本の著者やアーティストの生きた時代はどんな時代だったのか? 国はどんな立場に置かれていたのか? などを少し知っているだけでも、インプットの質が上がります。
私はまだまだ勉強不足ですが、『映像の世紀』を見直してから、目に見えない部分の想像力が上がってきました。それがまた、歴史を知りたい、という気持ちの循環にもなるのが発見でした。最近は年代ものの映画を観たり、高校生の教科書的な歴史を学び直してみたりしています。
歴史の勉強はどこから入ったらいいかわからない、という方は『映像の世紀』をおためしあれ。歴史を学ぶうえでおすすめの映像や映画、本などありましたらぜひ教えてくださいっ。⇒ @fumopan
学び直しは計画的に。
以下は蛇足です。
今通っている「編集スパルタ塾」で「絶対観るべし」と言われた映画が『意志の勝利』。ナチス・ドイツのプロパガンダ映画ですが、恐ろしくクオリティが高く、その後の映画に大きな影響を与えたそうです。『映像の世紀』でも、やはりナチス・ドイツの内容は悲惨です。当時の人がどんな映像に影響を受けていたのか、俄然興味がわきます。
ナチスと言うと、以下の本も名著ですね。…と、どんどん広がってしまう。
メモ:大学の先輩から教えていただいたおすすめ本↓