IIJmio(格安SIM)ユーザーが海外で現地SIMを使う場合の注意点と設定方法

IIJmio、LINEモバイル、楽天モバイル等、日本で格安SIMを使っている人が海外旅行をする際、旅行先の現地SIMを差し替えて使う場合に、少し設定が必要になる場合があります(差し替えてすぐに使えないことがあります)。

私は日本で格安SIMの「IIJmio」をSIMフリーの iPhone で利用していますが、イギリス旅行をした際に現地の SIM(「EE」という現地キャリアのもの)に差し替えてもすぐに利用できず、旅行初日にホテルでスマホと小一時間にらめっこ…という不毛な体験をしました。その教訓から学んだ設定手順を書き残しておきます。

ポイントとしては、格安SIMの設定ファイルである「構成プロファイル/APN(Access Point Name)」を削除しておく、というのが肝です。具体的には以下に書きます。

海外SIMの購入

海外旅行の際、現地のキャリアショップ等、有人の路面店でSIMを購入する方もいらっしゃると思います(その場合はスタッフの方が設定してくれるかもしれませんね)。

今回は amazon 等でSIMカードを事前に購入したり、現地の自販機で購入したりして、自分で設定を行う場合を想定します。私は現地の言葉でのコミュニケーションに不安があるのと、現地で購入する時間を節約するため、出国前に購入しました。

設定手順( iPhone で IIJmio を利用している場合)

IIJmio の場合を例に取りますが、LINEモバイルや楽天モバイルなども大筋同じ流れになるのではないかと思います。

1)IIJmio(格安SIM)の構成プロファイル/APNを削除する

これが本件の一番重要な部分で、格安SIMの既存の設定が残っていると、海外の現地SIMが使えないという事がよく起きるようです。

海外旅行する際、飛行機に乗り込んだ後や機内など、もう日本の格安SIMを使わない状態になったら、以下手順で格安SIMの設定を削除しておきます。

まず iPhone の「設定」アプリをタップし、「一般」>「プロファイル」の順にタップします。

日本で利用中の格安SIMの構成プロファイル/APNが表示されますので(私の場合は「IIJmio」)、該当のものをタップし、下にある「プロファイルを削除」をタップして削除します。

以上で格安SIMの構成プロファイル/APNの設定削除ができました。

2)現地到着時:SIMカードの差し替え・設定確認

1)で IIJmio(格安SIM)の構成プロファイルを削除したら、あとは海外の現地到着後に海外SIMの設定を行います。

以降は一般的な設定になりますので、購入した海外SIMの説明書等に従えばよいと思います。SIMによっては、現地で指定の番号に電話番号をかけると開通する、というパターンのものもあります。

とは言え、説明書がついていないこともあると思いますので、参考までに、よくある手順を以下にまとめます。

  1. スマホの電源オフ
  2. SIMカードをIIJmio → 海外SIMに差し替え
  3. スマホの電源オン
  4. 「設定」から「モバイル通信」をタップし、「モバイルデータ通信」がONの状態にし、「通信のオプション」をタップします。
  5. 「データローミング」をONの状態にします。あとは利用する海外SIMにより変わると思いますが、「音声通話とデータ」の設定も変更します。私の場合は4G回線が使える海外SIMだったため、「4G, VoLTEオン」を選択しました。うまくつながらない場合は、「4G, VoLTEオフ」や「3G」等、他の設定も試してみるとよいかもしれません。

3)通信できない場合は30分待ってから再起動

1)と2)の流れが基本ですが、すぐに通信できない場合もあります。
その場合は、焦らず30分ほど待ってから、再びスマホの電源をオフ→オンにして、再起動します。これで通信ができるようになる場合があります。

私はこのことを知らずに、つながらないな〜とあれこれ設定をこねくり回して時間を浪費したことがあります。正しい設定をしているはずなら、30分ほど待ってみるのもありです。

4)それでも通信できない場合はキャリアの構成プロファイルを個別にインストール

3)までやってみても、通信できない、つながらないという場合は、海外現地キャリアの「構成プロファイル/APN」を個別にインストールします。ちょっと難易度は上がります。

ここから先はインターネットにつなぐ必要があるため、空港やホテル、カフェなどの Wi-Fi を使い、ネットにつなげる状態にする必要があります。

スマホ操作に慣れている方や、現地でWi-Fiがあるか心配な方は、日本国内にいる間に以下で紹介する「構成プロファイル/APN」を作成、ダウンロードして、スマホ本体に保存しておくといったことも一考です。例えば、メール添付で自分宛てにメールしておく、iPhone なら「ファイル」アプリでローカルに保存しておく等です。

さて、海外の空港やホテル等で、ネットにつなげる状態になったら、以下いずれかの対応をします。

A)「現地のキャリア名 + APN + iPhone」で検索して自力で設定する
B)「iPhone APN Changer」でAPNをダウンロード

4-A)現地のキャリア名 + APN + iPhone で検索して自力で設定する

iPhone やスマホのトラブルをネットで調べて対応することに抵抗がない方は、「現地のキャリア名 + APN + iPhone」等で検索して調べて対応すると早いかもしれません。

私の場合、イギリス旅行の際は「EE」という現地キャリアで、フランス旅行した際は「internet.proximus.be」という現地キャリアでした。
そのため、
「EE APN iphone」や
「internet.proximus.be APN iphone」
で検索すると調べることができます。

現地のキャリア名は、「設定」→「モバイル通信」の画面で「ネットワーク選択」などの項目に書いてあります。下図は日本にいるときの画面例のため、「NTT DOCOMO」とありますが、海外の場合は現地で自動的につながるキャリア名が表示されます。

先ほどのキーワードで検索すれば、大体キャリアの構成プロファイルやAPNのダウンロードに進むのではないかと思いますので、ダウンロード後の画面に従えば設定は完了できます。

もしダウンロードしただけで何も起きないようなら、「設定」>「構成プロファイル」でダウンロードしたファイルのインストールをできる場合があります。

上記で構成プロファイルやAPNのインストールができれば通信ができるかもしれませんが、もしできない場合は以下を試すとよいと思います。

  1. 機内モードのオン・オフ(これでもつながらなければ以下の 2. へ)
  2. iPhoneの再起動(これでもつながらなければ以下の 3. へ)
  3. 構成プロファイル(APN)を削除し、もう一度はじめから設定をやり直す

4-B)「iPhone APN Changer」で構成プロファイル(APN)をダウンロード

4-A)で調べてもできない場合は、「iPhone APN Changer」というサイトで構成プロファイル(APN)を作成、ダウンロードするという方法もあります。

  1. iPhone の Safari で「iPhone APN Changer(https://www.unlockit.co.nz/fw/)」のページを開き、下にある「APNを作成します。」ボタンをタップします。※Safari 以外のブラウザでは開けないことがあります

2.「Country」で滞在先の国を、「Carrier」で接続先の現地キャリアを選び、「Create APN」ボタンをタップ。すると構成プロファイル(APN)がダウンロードできます。

  1. 許可を求められる画面が出ますので「許可」をタップ。

以上で構成プロファイル(APN)のダウンロードとインストールができますが、もしダウンロード後に何も起きないようなら、「設定」>「構成プロファイル」などからダウンロードしたファイルのインストールを行います。

上記で構成プロファイルやAPNのインストールができれば通信ができるかもしれませんが、できない場合は以下を試します。

  1. 機内モードのオン・オフ(これでもつながらなければ以下の 2. へ)
  2. iPhoneの再起動(これでもつながらなければ以下の 3. へ)
  3. 構成プロファイル(APN)を削除し、もう一度はじめから設定をやり直す

5)帰国後、IIJmio(格安SIM)の構成プロファイル/APNを再インストール

念のため最後に書いておきますと、海外から日本に帰ってきた際には、日本で利用している格安SIMの構成プロファイル/APNを再設定する必要があります。契約当初の説明書を参照するか、「キャリア名 + APN + 設定」などで検索するとすぐ出てくるのではないかと思います。

ちなみに IIJmio の場合は「みおぽん」というスマホアプリがあり、そちらを予め iPhone にインストールしておくと、すぐに構成プロファイルのインストールができます。くわしくは「【のりかえガイド】初期設定(APN設定) | IIJmio」に記載があります。

過去に使用した海外現地SIM

ご参考までに、私がフランス旅行(主にパリに滞在)で使用したのは以下のSIMでした。

DHA SIM for Europe ヨーロッパ 35か国 4GLTE/3GプリペイドデータSIMカード/ 5GB 4G-LTE/3Gデータデータ / 10日間利用可能

DHA SIM for Europe ヨーロッパ 35か国 4GLTE/3GプリペイドデータSIMカード/ 5GB 4G-LTE/3Gデータデータ / 10日間利用可能/ 3-in-1 SIMカード

上記SIMをフランスで利用した際、本記事で書いた以下手順でつながることを確認できました。

1)IIJmio(格安SIM)の構成プロファイル/APNを削除する
2)現地到着時:SIMカードの差し替え・設定確認
3)通信できない場合は30分待ってから再起動

SIMはいろいろな種類がありますので、用途によって選べばOKと思いますが、私は通信容量と利用期間に加えて、以下条件に合致するものという基準で上記SIMを選びました。

  • テザリングができる(海外で PC を使う可能性があったため)
  • 4G回線が使える
  • 通話はいらない(必要な場合は Skype などの通話アプリ利用を想定)

実は、本SIMもフランスで使う際に少しつまずいたのですが、メールで問い合わせたところ、数時間で回答をいただくことができました(その際のやりとりが本記事にも反映されています)。サポートもしっかりしている印象でしたので、紹介します。

ちなみにイギリス旅行の際には「EE」という現地キャリアにつながる「EE 4G SIM」というものを購入したのですが、この際は試行錯誤しすぎて何が最短の手順だったのか…もはやわかりません。本記事でいう 4-B)の手順までトライしてつながったのはたしかです。