Instagramの責任者Adam Mosseri(アダム・モッセーリ)氏が、2024年8月15日に自身のInstagramを更新。「なぜ保存よりシェア(送信)を重視するのか?」という質問に対して回答しました。いわゆる公式情報に等しいと思いますので、記録までに。
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要旨は以下(意訳を含みます)。
- 「共感」や「人々を結びつけること」に焦点をあてている
- 「保存」は個人で完結する行為だが、「シェア」は友人とつながる行為
- 「保存」も「シェア」もランキングに考慮しているため、「保存」も重要であることに変わりはない
具体的なイメージとしては、思わず笑ってしまうコメディを見て、同じように笑いそうな友だちにシェアする、といったシーンを例に出していました。
基本的なところですが、「シェア(送信)」は紙飛行機アイコン、「保存」はブックマークのアイコンですね。
考察:ランキングに影響するシェア先はDMやThreads?
ちなみに「シェア」ボタンをタップすると、いくつかの選択肢がありますが(下図)、Instagram的にはDMでのシェアが望ましいのだろうと推察します。Instagram内部での動きは計測しやすいでしょうから、何らかのシグナルとして参考にするかもしれません。
あとは近年連携を強めている「Threads」へのシェアも、シグナルとして関連してくる可能性はあるかもしれませんね。
Instagramでは、投稿の最後に「保存してね」といった訴求を入れる例を多々見かけますが、今後は「シェアしてね」といった訴求が増えそうです。
考察:コンテンツ制作者はDMでシェアされるには?の観点が必要に
DMという特性上、特定の個人またはグループに向けてのシェアなので、趣味や興味を共有する人たちの間でシェアされるコンテンツとはどういうものか?という観点が必要になります。
例えば、カフェ好きな人とInstagramでつながっているユーザーがいるとすると、新しいカフェのオープン情報などに触れ、「このカフェ知ってる? 今度行ってみない?」といったシェアが想像できます。
この場合、コンテンツ制作者はいかに早く、新規オープンのカフェ情報を発信するか、といったことが必要になりそうです(一例)。
考察:TikTokとの差別化?
近年、SNSはソーシャルメディア(人がつながる場)ではなく、リコメンデーションメディアになっている(興味のあるコンテンツを消費する場)といった指摘が出ています。
個人的にも、人をフォローするというより、情報源をフォローする、という感覚が増えているように感じます。
今回の「シェア(送信)」を重視するという動きは、人がつながる場へ多少回帰しそうです。
ライバルであるTikTokはコンテンツ消費の色が濃いのに対し(肌感ではTikTokで友達同士がつながっているか例は少ない)、Instagramはまだユーザー同士のつながりがありそうです。
Instagramは、コンテンツを消費する場から、コンテンツを消費しつつシェアし、コミュニケーションをとる場にしていきたいのでしょうか。その方がInstagramのアクティブユーザーは増えそうですね。
参考リンク
Adam Mosseri氏のInstagram投稿(AMA: Why do you prioritize sends over saves in ranking?)