【2024年10月】XアナリティクスのCSVダウンロードできない問題と代替ツール

2024年6月中旬頃からX(旧Twitter)のアナリティクス機能がリニューアルされ、「Xプレミアム」等の契約者でないとXアナリティクスを閲覧できなくなりました。

「Xプレミアム」を契約しても、従来同様の機能が使えるわけではありません。特に、投稿ごとのアナリティクスデータをCSV形式でダウンロードできなくなった点は大きいかもしれません。ただ、「概要」や「投稿ごとの詳細」における日次のデータはCSV形式でダウンロードができるようになりました(2024年8月〜)。

この記事では、投稿一覧のデータをCSV形式でダウンロードするための代替ツールを紹介します。主な結論としては以下の通りです。

  1. 月間投稿が30件までなら「SNIS for X(無料)」
  2. 月間投稿が30件以上なら「Buffer(月額5ドル〜)」

上記は以下のような観点で国内外のサービスを調査した結果です。

  • Xの投稿ごとのデータをCSV形式でダウンロードできる
  • 「Xプレミアム(月額税込み980円)」程度のコストである

全体的な注意点としては、CSV形式でダウンロードできる項目数や投稿にやや制限があるという点でしょうか。くわしくは以下に書きます。

Xプレミアム契約で見られるXアナリティクスの画面

Xプレミアムに契約すると見られるXアナリティクスの画面は、大きく「概要」と「オーディエンス」、「コンテンツ」の3画面です。

Xアナリティクス「概要」画面

指定した期間における各項目の合計値が確認できます。全体の概要を確認できる画面です。7日間、28日間、3ヶ月間、1年間のほか、期間を指定して各指標(インプレッション数やエンゲージメント率、新しいフォロー等)の合計値を確認できます。

この概要画面については、2024年8月にCSVダウンロードの機能が追加されました(上図赤枠部分)。CSVをダウンロードすると、日次で各指標の合計値が確認できます(下図イメージ)。

CSVに含まれる指標は上図の通りですが、列挙すると以下の通りです。

  • 日付
  • インプレッション数
  • いいね
  • エンゲージメント
  • ブックマーク
  • 共有
  • 新しいフォロー
  • 返信
  • リポスト
  • プロフィールへのアクセス数
  • 動画再生数
  • メディアの再生数

Xアナリティクス「オーディエンス」画面

2024年8月にオーディエンスの概要がわかる画面が追加されました。「年齢」、「性別」、「国」、「アクティブな時間」をビジュアルで確認できます。

画面左上のプルダウンから「いいね」「インプレッション数」「ブックマーク」「共有」「新しいフォロー」「返信」「リポスト」「プロフィールへのアクセス数」が選べるので、各アクションをした人の年齢や性別等がわかります。

Xアナリティクス「コンテンツ」画面

各ポストの一覧が表示されます。

ただ、CSV形式のダウンロード機能はついていません。上図の画面を全選択してExcel等に貼り付け、整形などをすれば擬似的にCSV形式のように扱えそうです。コピペして一覧化できるのは以下の項目です。

  • 投稿内容
  • 投稿日
  • インプレッション
  • いいね
  • ブックマーク
  • 引用

ちなみにポストのエリアをクリックすると、ポストごとの詳細な数値が確認できます(下図)。

2024年8月にCSVダウンロードの機能が追加されました(上図赤枠部分)。CSVをダウンロードすると、日次で各指標の合計値が確認できます(下図イメージ)。「概要」画面でダウンロードできるものとフォーマットは同じです。

CSVに含まれる指標は上図の通りですが、列挙すると以下の通りです。

  • 日付
  • インプレッション数
  • いいね
  • エンゲージメント
  • ブックマーク
  • 共有
  • 新しいフォロー
  • 返信
  • リポスト
  • プロフィールへのアクセス数
  • 動画再生数
  • メディアの再生数

1. 月間投稿が30件までなら「SNIS for X(無料)」

テテマーチ株式会社が提供する「SNIS for X」は、月間投稿が30件までであれば無料プランで投稿データのCSVダウンロードが可能です。

投稿ごとに取得できる項目は以下の通り。

  • 投稿日時
  • 投稿ID
  • 投稿内容
  • 投稿URL
  • インプレッション
  • エンゲージメント
  • エンゲージメント率
  • リプライ
  • リポスト
  • いいね
  • プロフィールアクセス
  • URLクリック

「動画の再生数」は取得できませんでしたので、この項目を重視する場合は代替ツールとして候補から外れてしまうかもしれません。その他は概ね主要な項目が取得できるため、使えると判断できる方は多いのではないでしょうか。

注意点:無料プランで取得できるのは月間30件まで

取得したい投稿が月間30件を超える場合、有料プラン(税込み11,000円)で月間100件まで取得可能です。100件を超える場合は、要問い合わせです。

SNIS for X の料金ページより

CSVダウンロードのために月額11,000円は贅沢かもしれません。他のもある分析機能やレポート機能なども使えることを考慮しつつ、利用を検討することになるでしょうか。

2. 月間投稿が30件以上なら「Buffer(月額$5〜)」

Buffer」は海外製のツールですが、年間契約なら月額5ドル、月契約なら月額6ドルで利用できます。為替の影響を受けますが、仮に1ドルが160円と仮定すると、月額800円(年契約の場合)または月額960円ですね。Xプレミアムの料金より、少し安い水準です。

Buffer の料金ページより(上図は年間契約の場合)

分析画面のイメージは下図で、期間を指定してCSV形式でダウンロードする機能があります。

投稿ごとに取得できる項目は以下の通り。

  • date
  • last_checked
  • id
  • media(写真等のURL)
  • serviceLink(投稿URL)
  • replies(リプライ/返信数)
  • engagements(エンゲージメント総数?)
  • engagement(エンゲージメント)
  • engagement_rate(エンゲージメント率)
  • impressions(インプレッション)
  • favorites(いいね)
  • retweets(リポスト)
  • sent_at
  • url_clicks(URLクリック)
  • quotes(引用)
  • user_profile_clicks(プロフィールアクセス)
  • type(テキスト投稿か動画投稿か等)
  • text(投稿内容)

SNIS for Xと同様、「動画の再生数」は取得できませんでした。ただ、項目数は少し多くなります。

BufferのCSVイメージ。日本語が文字化けしますが、Excelでは「データ」タブの「データの取得」などからCSVファイルを読み込むと文字化けを解消できます。

ちなみにCSVをダウンロードすると、指定した期間について以下5種類のファイルが出力されます。

  1. 投稿ごとのパフォーマンス(前述の項目)
  2. 1投稿あたりの平均パフォーマンス(インプレッション、エンゲージメント数、クリック数)
  3. 日次のフォロワー数
  4. 統計(指定した期間の投稿数、リツイート数、インプレッション数、エンゲージメント数、返信数、いいね数、フォロワー数増減)
  5. サマリー(指定した期間の投稿数、リツイート数、返信数、クリック数、いいね数、エンゲージメント率)

スレッド形式の投稿予約といったその機能も充実しているので、その点も含めて検討してみてもよいかもしれません。私は業務で(主にFacebook向けですが)かれこれ10年くらい使用しています。

注意点:スレッドの2ポスト目以降は数値がとれない

実際にCSV形式のファイルをダウンロードしてみたところ、スレッド投稿をした場合、1つ目のポストしか数値がとれませんでした。1つ目のポストに、スレッドとして連ねた2ポスト目、3ポスト目等の数値はとれないようです。

スレッド投稿はしない等、運用方法での工夫が必要になります。この点、SNIS for X はスレッドに連なる各ポストも数値を取得してくれました。

その他検討したツール

今回は「CSV形式のダウンロードを補えるツール」という観点で調査したため、月額利用料が1万円以上かかるツールはコストが見合わないという想定で調査しました。そうなると、選択肢はかなり限られます。

国内のツールでは「Social Dog」も検討しました。CSV形式でダウンロードする機能がついたProfessionalプラン(月額9,800円 ※年間契約で月額4,980円)では、出力できる項目が以下で、やや少なめの印象ではありました。

  • 投稿ID
  • 投稿日時
  • 投稿内容
  • 投稿元のクライアント
  • リポスト
  • いいね
  • ユーザー名
  • 表示名
  • 投稿URL

またProfessionalプランでは、Social Dogの予約投稿機能を使って投稿したものだけが出力対象になるため、Xの画面やアプリで投稿したものは出力されない、という点も制約としては大きいと感じた部分です。

今回調査してみてわかりましたが、CSV形式でのダウンロード機能があるツールでも、どの項目が、どの範囲までダウンロードできるのか?は、実際に試してみないと詳細はわかりません。

有料ツールと言えど、ニーズにあった項目がダウンロードできるとは限らないので、(あれば)無料お試し期間を活用するなどして調査する必要があります。

まとめ

ざっくりポイントをまとめると以下の通りです。

ツール 月額(税込み) CSVダウンロードに関する注意点
Xプレミアム 980円 CSVダウンロード機能なし
SINIS for X
– LITEプラン
無料 月間投稿30件まで
SINIS for X
– STARTERプラン
11,000円 月間投稿100件まで
Buffer 6ドル スレッド投稿の場合、1ポスト目しかデータがとれない
Buffer(年間契約) 5ドル スレッド投稿の場合、1ポスト目しかデータがとれない

※上記ツールはいずれも動画の再生数は出力されない

Xプレミアムを契約すると見られるXアナリティクスですが、まだ開発途上と察します。今後機能が充実していく可能性は高いと思いますが、必要な機能(今回はCSV形式でのダウンロードに着目しました)がそろうまでは、上記のようなツールで場をつなぐしかないかもしれません。