新しい MacBook Pro で大きな進化のひとつが Touch Bar ですね。ファンクションキーの列が細長い Retina ディスプレイとなり、拡張性のあるインターフェイスに変更されました。アプリケーションごとに最適なキーが表示されたり、好みにカスタマイズできたりするというのが大きな特徴です。今回は職業柄よく使う Photoshop でわかっている点をまとめました。
ツーハンドによる操作スタイル
Apple の発表イベントの模様を見ていて印象的だったのは、新しく追加された Touch Bar とトラックパッドを両手で操作しているシーンでした。これはちょっと新しい操作スタイル…ちょっと DJ っぽいですね。
この感じ…数時間前に何かで見たぞ。
そう、これです。
Mac の話を始めながらいきなりこういう話題も何ですが、Microsoft が直近で発表していた Surface Studio に付けることができる「 Surface Dial 」というダイヤル式端末と似ています。かたちは違えど、考え方は Touch Bar と類似するところがありますね。
いきなり余談になりましたが、Touch Bar での Photoshop 操作に戻ります。
ブラシの直径や硬さの調整
見たままですが、Touch Bar のスライダーを左右に動かすことでブラシの大きさや強さなどを調整できるようです。今までは Photoshop 画面内のパネルにあるスライダーをドラッグする必要がありました。少しこなれた人なら、トラックパッドで2本指を使って左右に指を動かして調整できることもご存知かと思いますが、それと比較しても若干楽かもしれませんね。
同様の操作感から想像するに、フォントサイズやレイヤーの透明度なども Touch Bar で調整が可能になりそうな予感がします。
ヒストリーの操作
個人的に一番いいなと思ったのは、ヒストリー(作業履歴)を巻き戻す機能です。制作中に何か違うな…と思ったら、戻りたいところまでスムーズに戻れます。発表ではそれまで施した加工を一気に巻き戻り、初期状態の画面まで戻るシーンが披露されました。
↑あっという間に初期状態に戻ったところの図。
ショートカットキーの例
Touch Bar 部分の表示例です。一部の方が大騒ぎしていた(?)esc キーや、フルスクリーン表示、新規レイヤーの追加ボタンなどが出ています。このあたりは従来のキーボードショートカットでもまかなえるのではないかと思ってしまう自分もいますが、キーを3個くらい同時押ししなければならないような操作をワンタッチで呼び出せるようになるならありでしょうか。
どうやら「 Favorites 」というボタンがあるようなので、自分でよく使うキーを登録しておくことは可能なのでしょう。慣れている人ほど独自のキーボードショートカットを設定していると思いますので、そのあたりの簡略化や整理が少し進められるのかもしれません。
その他、レイヤープロパティに特化したキーなども出てきました。レイヤー操作を始めると切り替わるようですので、操作ごとにキー表示が変わるのでしょう。
フルスクリーンでの操作がしやすくなる
全画面表示(フルスクリーン)にすると Photoshop のパネル類は見えなくなりますが、Touch Bar に加工メニュー等が表示されることで、パネルなしでの操作が従来より行いやすくなります。
発表では Touch Bar に表示されたレイヤー描画モードの加工を次々と施すシーンが紹介されました。
画像では見にくいですが、Touch Bar にオーバーレイ、ソフトライト、ハードライト、ビビッドライトなどのメニューが並んでいます。
冒頭の画像もフルスクリーンでの作業シーンです。左手でブラシの色を変えながら、右手で背景に色を付けています(と文字で書いてもわかりにくいですので、気になる方はぜひ発表の映像をご覧ください)。よほど絵的な加工を施す人でないと使わないかもしれませんが、新しい表現手段としておもしろそうです。
2016年12月までのアップデートで提供見込み
これらの Touch Bar への対応は、2016年12月までにアップデートで提供される見込みです。
動く映像でご覧になりたい方は、Apple Special Event. October 2016 の Keynote をご覧ください。Adobe の Photoshop担当Experience Design Manager・Bradee Evans氏の発表は 59:10 あたりから始まります。
以上、簡単ながらまとめでした。
仕事に関する新製品&アプリケーションのキャッチアップは計画的に。
One more thing.(違)
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