少し前に『日経ビジネスアソシエ』の2014年12月号を本屋で見かけて買いました。
2014年は「書くこと」と「考えること」がセットでマイテーマでしたので、「ノートの使い方で差がつく思考整理術」と題した特集には自然に手が伸びました。
これはと思った3つのポイントを、流れとともに整理し直すと以下の通り。
- 考えるべき問題は一握りと心得る
- 考えるべき本質的問題を決める
- 問題の解決策を書きながら考える
2014年は、A4の白紙に考えたことをひたすら書きまくる、という習慣がついてきた私でしたが、そもそも考えるべきことは何か? という視点が欠けていることに気づかされました。具体的にポイントを整理します。
1. 考えるべき問題は一握りと心得る
ヤフーのチーフストラテジーオフィサー(CSO)安宅和人さんのインタビュー記事で紹介されていた図です。「問題」と言われているものの中で、考えるべき問題は約1%しかない、と。
私も仕事で個人の方から「 Web サイトがないので相談したい」とお話をいただくことはありますが、いざ深くヒアリングしてみると「そもそも自分が人生で何をしたいかわからない」といった人生相談になっていくことがよくあります。
上記はごく身近な例ではありますが、Web サイトがないのが問題なのではなく、何をしたいのかわからないのが問題ということですね。そうなると、今やるべきは Web サイトをつくることではなくなります。
では考えるべき問題を探すにはどうしたらよいのか? それは「大前研一直伝 思考整理術」と題されたページがヒントになります。
2. 考えるべき本質的問題を決める
大前研一流「方眼紙」活用術として紹介されていたのが上図です。具体的な問題を左下から右へ書き、共通する問題を上に書いていく、すると本質的な問題が見えてくる、というものですね。具体的な事象を抽象化していくというプロセスです。(ポイントは1つの問題を20文字以内に短くまとめること)
この具体と抽象の書き方は、岡田斗司夫さんの『スマートノート』を連想しました。『スマートノート』の手法では、下方向に「なぜ?」を繰り返していき(抽象化)、上方向に「ではどうする?(具体化)」を書きます。
この本質的な問題を探すことができれば、半分解決したようなものかもしれません。あとは、その問題をどう解決するか? ですね。
3. 問題の解決策を書きながら考える
『ゼロ秒思考』の著者 赤羽雄二さんのメソッドです。私が以前から習慣化してきた「A4の白紙に考えたことをひたすら書きまくる」はこれに近いものです。頭に浮かぶことはアウトプットしないと整理できません。
冒頭でご紹介したヤフーの安宅さんは、
アウトプットをしない状態は、「何も考えてない」ことと同じ。
…とおっしゃっていました。これは脳神経の仕組みで科学的に説明しても理にかなうそうです(安宅さんはエール大学脳神経科学プログラムで博士号を取得されている方)。
思ったことをとりあえず書いてみる、というのは体験的にも有用と感じます。どうしたらいいかわからない、モヤモヤする、そんなことは誰しもあると思いますが、そんなときはこのメソッドをおすすめしたいです。
かつての私はこの 3. の書きながら考えることをいきなり始めていましたが、そもそも考えるべきことを見極められていなかったかもしれません。はしごをかけ違うと、いざ登りきっても「あれ、ここじゃない」となってしまいますね。それは痛いです。
今考えるべき問題は何か? 考えることはそこから始まるのですね。
問題発見は計画的に。
*
参考:
『日経ビジネスアソシエ 2014年 12月号』
『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』安宅和人
『あなたを天才にするスマートノート』岡田斗司夫
『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』赤羽雄二