パンの脅迫観念―広尾のBONDI CAFEでフレンチトーストを食す

「ふもぱん」なる名称が定着しているがゆえ、その名の宿命なのか、パンにくわしい人と思われております(実際はどうか甚だ疑問である)。

「おいしいパン屋はどこですか?」
「至高のパンを教えてください。」
「ふもぱんの中には何が入っているんですか?(答えは大福)」

・・など。

いやいや〜と否定しつつも、外的環境の影響力は恐ろしいもので、街を歩けば自然とパン屋が目に入り、本屋で「パン」の文字があれば目にとまります。こわいですね。

ある日は鶯谷の《 DEN 》という昔ながらの喫茶店で、「グラパンセット」なるものが目に入り、思わず注文。地獄をみました。

ほぼ一斤なんじゃないかと思われるパンの中身がくり抜かれ、そこにグラタンがなみなみと注入されているのです。しばらくパンは見たくないと、一人、鶯谷の片隅で泣きました。

そんな「パン的強迫観念」に日頃から晒されている私なので、たまにパンに関わる投稿をしないと、大量のパン粉で窒息して死に至るのではないか? などと心配になります。

今日は広尾にある《 BONDI CAFE(ボンダイカフェ)》にて、フレンチトーストをいただきました。密かにリピートしている逸品です。

フレンチトーストというと、ホテルオークラのふわふわフレンチトーストが至高の名品として思い出されます(自宅で再現を試みたほど)。

24時間寝かせるというホテルオークラの手間は、プリンですか、これは? と思ってしまう官能的な世界観を作り出します。お値段も相応です(比較的近い世界観を手軽に体験するなら新宿三丁目の《 CAFE AALIYA 》が対案)。

そんなフレンチトーストが唯一犠牲にしているのは、わずかなカリカリでしょう。

BONDI CAFEのフレンチトーストには、その少しのカリカリ感が活きています。ナイフを入れたときのサクリとした手応え、口に運んだときの心地よい感触、やわらかな本体との対比と狂宴。900円の価値はあろうぞ。ほめてつかわす。

広尾にお立ち寄りの際はご参考に。あ、代々木の方にもあるみたいですが、そちらは店の前を何度か素通りしたことしかありません。

いずれも土日は混みあうため、予約しておくのが賢明です。今回も予約しましたが、1時間弱の滞在という条件がつきました。予約なしで来店していた方は「1時間ほどお待ちいただきます」と。

並んででも、パン。パンの奴隷は私だけではありませんでした。

参考文献)※BONDI CAFEは特に関係ありません