「心地の質」から考える自身のデザイン

雑誌『暮しの手帖』で密かにたのしみにしているのが、プロダクトデザイナー深澤直人さんの連載「暮らしのデザイン」。他にも佐藤雅彦さんの連載もあり、こちらも楽しみにしています。

同誌No.72 2014年 秋号の深澤直人さんの連載は、「心地の質」という内容でした。

一般的に「デザイン」というと、まだまだ見た目の美しさや格好良さを指すことが多い印象ですが、そういった「見た目」ではなく「心地よさ」をつくることがデザインの役割である、と指摘されています。

連載の冒頭に以下のような具体例がありました。

例えばエアコンや空気清浄機のデザインといえば、以前はその機械の「形」をデザインとして評価しようとしていた。しかし時代はもはや、その姿は壁の中に隠し、形ではなくそこから出てくる空気の質の善し悪しや、心地いいかどうかが問われるようになったというわけである。

これはエアコンが果たす本質的な価値にフォーカスが当たるようになってきたことを意味します。

いくら見た目がよくても、エアコンとしての役割を十分に果たさないのなら、それはエアコンとしての価値よりも、オブジェとしての価値にフォーカスが当たっているということですね。冷静に考えれば当然のことではあります。

デザインに関心のある方にとってはよくある考え方ですが、一般的にはまだ浸透していないかもしれません。

私が普段仕事をしている Web の世界では、「 UX(User Experience/ユーザー体験)」という単語でふれられることがよくあります。これも先ほどの例と同様で、Web サイトそのもの見た目ではなく、Web サイトを通じてどういう体験やサービスを提供できるのか、そのことが重要である、という考え方です。

ソニーのウォークマンに代わった iPod も、何千曲もの曲を手軽に持ち運び、ネットワークから音楽をダウンロードできるという、製品以外の音楽体験をデザインしたと言えるでしょう。ソニーのウォークマンも、元は歩きながら音楽を聴けるという体験をデザインしたのだと思います。

どう見られるか? どう思われるか?

よりも

どう感じられるか?(心地よいか?)

が、より本質的に重要ということですね。もちろん、どう見らえるか? が重要ではないということにはなりませんが、心地よさが、見た目の上位概念には位置すると考えます。

「心地」と言えば、カフェや喫茶店などのお店の「居心地」などを連想します。私はスターバックスが好きですが、正直なところ、ドリンクよりも居心地に対価を払っているなと度々思います(最近どこも混んでいるので悩ましいのですが…)。

「居心地」と言えば、一緒にいて気持ちのいい人、という意味で人にも当てはまります。身だしなみという見た目に限らず、立ち居振る舞い、話し方、所作といった複合的な要素で、その人が他者に与える体験が変わります。

自分は人にとって心地よい人物だろうか? 「自分自身のデザイン」を見直したいですね。

自分のリ・デザインは計画的に。
 

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